睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群とは?


「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)」とは、文字通り、睡眠時に呼吸が止まってしまう病気です。

医学的には10秒以上、気道の空気の流れがとまった状態を「無呼吸」と呼び、一晩で30回以上もしくは1時間につき5回以上、この無呼吸がある状態を睡眠時無呼吸症候群と定義しています。

睡眠時の症状のため、本人に自覚症状がないことがこの病気の最大の特長ですが、日本における推定患者数は300万人以上(総人口の実に2.5%以上)ともいわれており、潜在的にかなり多い国民病ともいえます。

睡眠時無呼吸症候群~セルフチェック項目

自覚症状が持ちにくいこの病気は、以下のような症状をセルフチェックすることで罹患している可能性を疑うことができます。

「寝ているとき」「起きた直後」「起きているとき」の3つの時間帯に応じてチェックポイントを記しておきます。

寝ているとき

・呼吸がとまる、乱れる、息苦しい
・いびきが一定時間とまる。その後、大きな呼吸とともにいびきがまた始まる
・むせる
・何度も目が覚める
・寝汗の量が多い

これらの症状が複数当てはまる方は、ご家族など身近な方に睡眠時の状況をより詳しくみてもらうことも大切です。

起きた直後

・頭痛がする
・すっきり目覚めない
・体が重い
・口が渇ききっている

起きているとき

・眠気がひどい
・だるい、倦怠感がある
・常に疲労感がある

これらの項目が複数あてはまる方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が否定できません。

睡眠時無呼吸症候群の治療

では睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合、どうしたらよのか?どの科を受診すればよいのか?

皆様ご想像の通り、当然内科医ではご相談できるのですが、意外なことに私たち歯科医もこの睡眠時無呼吸症候群の検査依頼と、その検査後の治療のお手伝いが出来るのです。

「睡眠時無呼吸症候群かもしれないが、わざわざ内科医に通うのは面倒くさい…」という方は日頃通院している歯医者に相談をしてみるのもひとつの手です。ただし、歯科医師によっては対応を拒否する方も多いのが現状です。お困りの場合は、是非当院にお気軽にご相談ください。

実際にはどのような治療が行われるのか?

歯科医院では、まず患者様から詳しく症状を伺った後、その疑いがあれば内科医(又は、睡眠関係の専門医)に紹介状を出します。
そこで、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を行います。
この検査は、検査キットを自宅に持ち帰り、一晩就寝中のデータを記録するだけですので、患者様の負担は少ないと思います。
その簡易検査後、睡眠時無呼吸症候群の疑いが強まれば、精密検査に移ります。
この検査は、一晩の検査入院をして頂きます。
(一晩の検査入院は、患者様の負担も大きく、なかなか受け入れて頂けない、と言う課題があります。このことも罹患者の多くが明るみに出ない潜在的な病気となっている要因です)
検査入院後、睡眠時無呼吸症候群が軽度の場合は、歯科医師によって専用のマウスピース(OA)が製作されます。
この装置を睡眠時に装着して頂くことで、睡眠時の呼吸の気道を確保し、症状を改善していきます。
予後良好確認後は、そのOA効果の確認目的のため、内科医にて再評価が行われます。

患者様の気持ちになるため院長自らが一晩の精密検査入院を体験!?

実は、私(院長:山本元)もこの一晩の検査入院を体験してみました。

自ら実際に検査入院をすることで、患者様のご負担や不安を味わい、同時に検査を受けることの必要性がより理解できると思ったからです。

OAの製作も、ネットで見れば「ある程度こんな形で作ります」と記載されていますが、多くの歯科医師がその設計や製作材料は、まだまだ手探りの状態だと思います。

私もこれまでにOA製作を行ってきた実績がございます。その治療過程も、患者様によくわかるように丁寧に説明してきたつもりです。
最終的には患者様にとって居心地が良いOAを作らないと、結局は長く使って頂けない訳ですので、義歯製作と同様、常に患者様の気持ちに立ってOA製作につとめています。

内科医、歯科医ともにまだまだ睡眠時無呼吸症候群への経験値が多いドクターは少ないのが現状です。

しかしながら、この睡眠時無呼吸症候群の軽度の場合作られるOAですが、上記の手順を踏めば、保険診療で作ることが出来ます。特に高額の治療費になることはありません。もし「私は睡眠時無呼吸症候群かも?」という方がいらっしゃれば、是非当院までお気軽にご相談ください。