クラウンループ(保隙装置)とは?
乳臼歯の生え変わりの時期に、何らかの理由により早期に乳歯が抜けてしまったら、放置してはいけません。
抜けてしまった場所に隣の歯が倒れてくるなどして、後続永久歯の萌出する十分な場所がなくなってしまいます。
つまり永久歯の歯列不正を起こしてしまいます。
早期に抜けてしまった乳臼歯の隣の歯を利用し、後続永久歯の萌出するスペースを確保する装置のことを「クラウンループ(保隙装置)」と言います。
クラウンループ(保隙装置)の必要性
クラウンループを使うと、後続永久歯が理想的な位置に萌出し、誘導できます。
ただしこの装置は、歯科矯正装置と違って、歯並びを治すわけではなく、あくまで後続永久歯の理想的な萌出誘導にとどまります。
通常の乳臼歯の生え替わりには、この装置は必要ありません。
このクラウンループは現在、保険治療で行うことが可能ですので、歯科矯正治療とは違い、費用の面で苦慮することはありません。
クラウンループの形状は、早期に欠損した乳臼歯の空間を守るために、隣在歯に乳歯冠をかぶせ、守りたい空間には、金属線(ループ)で、保持します。乳歯冠をかぶせた乳歯もいずれは後続永久歯との交換が行われますので、特に問題はありません。
また、ループ部分は、歯ブラシなど当てやすくなり、清掃状態も清潔に保てます。
クラウンループ(保隙装置)セット後の管理
クラウンループには、定期的な予後観察が必要となります。
ループ下の後続永久歯が順調に萌出してきた場合、いずれはループを切断、または、隣在歯の乳歯冠も抜歯となります。
この時期が遅くなると顎の成長に悪影響も出てきますし、本来の目的も達成できません。
途中、クラウンループ(保隙装置)が外れて、そのまま放置状態が続くと、これもまた本来の目的が達成できません。
乳歯と永久歯の混在している状態(小学校~中学校)の経過観察時に、このようなクラウンループ(保隙装置)の必要性が出てきます。
この時期は、痛みを伴った時に歯科医院に来院するだけでなく、日頃から定期管理の徹底が必要となってきます。
何かあれば当院までお気軽にご質問、ご相談ください。